1991 年 26 巻 3 号 p. 161-162
1988年夏, 北海道オホーツク海沿岸に位置する藻琴湖(汽水湖)で飼育されていたニジマスの体表に橈脚類Celigus orientalisが大量寄生し, 飼育魚は摂餌を停止して1カ月ほどでほぼ全滅した。寄生部位は白斑状となり, 表皮は本虫の摂餌活動によって破壊されていた。病魚を試験的に5日間淡水中で飼育したところ, 食欲は回復したが, 寄生虫を完全に駆除することはできなかった。ウグイ, ボラ, ワカサギなど天然魚にも寄生がみられたことから, これらが感染源と判断された。