魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
養殖ウナギ (Anguilla japonica) の“鰓うっ血症”に関する病理組織学的研究
井上 潔三輪 理青島 秀治岡 英夫反町 稔
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 29 巻 1 号 p. 35-41

詳細
抄録
 “鰓うっ血症”病魚について病理組織学的に観察した. 自然発病魚および実験感染魚には光顕では, 鰓弁の中心静脈洞の拡張, 肝の実質組織内出血や内皮細胞の変性を伴う血管の崩壊, 腎の造血組織内出血と糸球体や血管の内皮細胞の変性が観察された. 電顕観察によって, それらの変性した血管内皮細胞の核内に約 80nm の正20面体のウイルス粒子が確認されたことから, 本症は全身的な血管内皮細胞壊死を特徴とするウイルス感染症と考えられた.
著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top