抄録
1988年冬季以来, 海面養殖のギンザケ(魚体重約100~1,000)において, 体表の潰瘍と肝臓の白斑, 及び消化管の発赤を主症状とし, 大量斃死を伴う疾病が毎年10カ所以上の養魚場で発生している. これら瀕死魚からヘルペスウイルスが分離された. 電顕観察, 中和試験等の結果から, このウイルスは salmonid herpesvirus type 2 に同定された. 本ウイルス以外, 自然発病魚から本病に関連のある病原体は検出できず, また, 稚魚を用いた感染実験で疾病の再現が可能であったため, 本ウイルスが本病の原因であると判断された.