魚病研究
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催熟蓄養中のサクラマスならびにカラフトマスに発生した〓瘡病様疾病の原因菌に関する分類学的研究―I
原因菌の形態学的,生化学的ならびに生物学的性状による分類上の位置
木村 喬久
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1969 年 3 巻 2 号 p. 34-44

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抄録
 催熟蓄養中のサクラマスならびにカラフトマスに発生した〓瘡病様疾病の原因菌の分類学上の位置を検討する目的に,特異的症状の認められたサラマス病魚より分離した4菌株を供試し,それらの形態学的,生化学的および生物学的性状を基礎にして分類学上の位置について検討し,次のごとき結果を得た。本菌はAeromonas属と同定され,且つA.salmonicidaにきわめて近縁の細菌と推察されたが,分類学上の重要性状において若干の相違点が認められ本菌をA.sulmonicidaと同定することは困難で,またSCHUBERTが提案したA.salmonicida subsp. achromogenesと同定することもできなかった。このような見解から著者は本菌をA.salmonicidaの一新亜種とすることが最も妥当であろうと推論した。
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© 日本魚病学会
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