1968年11月以降,長崎県各地で養殖マダイにMicrocotyle taiの鰓葉寄生による斃死が起り,若干の被害を生じた。筆者らは,濃塩海水浴,トレマクリン薬浴,ビチン散の内服などによる駆除実験を試み次の結果を得た。1) 濃塩海水6%1分30秒処理で駆除効果は約90%,8%1分処理ではほぼ100%であったが,処理後魚体に擦過傷を起すおそれがあるので注意を要する。2) 1/100トレマクリン溶液の1分間処理は水温18~19℃では,ほぼ100%駆除効果があったが,水温13.5,16.5℃で同濃度の30秒処理では殆んど無効であった。3) ビチン散の魚体重0.3%,3日間連続内服によって75%以上の駆除効果があったが水温低下,衰弱などによって摂餌しなくなった個体に対しては本方法は適用できない。