抄録
マダイイリドウイルスに対する単クローン抗体を用い, マダイ実験感染魚脾臓から蛍光抗体法によるウイルス抗原の検出の可否を検討した。感染初期にはウイルス抗原は検出されなかったが, 進行に伴い腸性細胞が検出され, 発症魚では明瞭な蛍光陽性肥大細胞が観察された。本法を用いてイリドウイルス感染の疑われる病魚の診断を行った結果, マダイをはじめブリ, ヒラマサ, シマアジ, イシダイ, イシガキダイなど11種の海産養殖魚からギムザ染色法よりも高率に腸性細胞が検出され, 本法は病魚の迅速診断に有効であると考えられた。