1995 年 30 巻 2 号 p. 121-122
1993年および1994年の2月から4月にかけて, 大分県と和歌山県の複数の養殖場で口唇部・鰓蓋部の出血および脳の発赤を主徴とするシマアジの大量斃死が発生した。日間斃死率は0.1~1%であったが, 緩慢な斃死が長期にわたって続き, 累積斃死率が30%に達する経営体もあった。病魚の脳および腎臓から細菌が純培養状に分離され, シマアジに接種したところ, 病原性が確認された。分離菌の生物学的性状, 生化学的性状, DNA のG+C mol% および血清学的性状から, 本病の原因菌は Pseudomonas anguilliseptica に同定された。