魚病研究
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魚類の補体
矢野 友紀
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1995 年 30 巻 2 号 p. 151-158

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抄録
 無顎類(ヤツメウナギ, メクラウナギ)からはC3が単離されており, このタンパク質は Mg2+ の存在下で血清中の易熱成分によって活性化されることから, 無顎類にはC3の活性化経路が存在すると考えられる。軟骨魚類(テンジクザメ)には6成分からなる古典経路が存在すると報告されているが, 第二経路の存否については定かでない。一方, 軟骨魚類では, 多くの魚種で両経路の存在が確認されており, コイ血清からは補体系の構成成分(11成分)の総てが単離されている。本稿では, 研究が最も進んでいる軟骨魚類を中心に魚類の補体系について概説した。
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© 日本魚病学会
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