1995年5月から7月にかけ, 京都府下および広島県下の養殖場でアユの大量死が発生し, 累積死亡率は16~30%に及んだ。罹病魚には, 鰓の褪色, 内臓全般の褪色および脾臓と腎臓の腫脹が特徴的に認められた。病魚の腎臓から一種類の細菌が共通して分離され, アユ, ヒラメおよびマダイに対し強い病原性を示したことから, 本分離菌が今回のアユの大量死の原因菌と考えられた。分離菌は生化学的性状などから Pseudomonas 属に分類されたが, 種名の同定には至らず, Pseudomonas sp. とするにとどめた。