抄録
種苗生産されたトラフグの寄生虫相を長崎県の養殖場で養殖開始直後から出荷直前まで, 同一魚群を対象に隔月に1年半にわたって調査した。その結果, 原虫5種, 単生虫は新種 Gyrodactylus rubripedis を含む2種, 吸虫2種, 鉤頭虫1種および甲殻類3種, 計13種を見いだし, その一部の種類については寄生の季節変化を記載した。新種 G. rubripedis はヒガンフグとコモンフグに寄生する新種 G. pardalidis に最もよる似るが, 固着器の鉤や周縁小鉤がより大きいことで区別された。