抄録
アユから分離された marine birnavirus (AY-98)のアユに対する病原性を調べるとともに, 自然発病魚と感染実験魚の病理組織学的観察を行った。1尾あたり10 5.8と10 5.4TCID50を腹腔内接種した区では2週間でそれぞれ71%と70%が死亡した。対照区では12%と0%が死亡し, AY-98 はアユに病原性を持つことが明らかになった。病理組織学的には自然発病魚と感染実験魚ともに脳のうっ血と膵臓の壊死が特徴的に見られた。体形異常と脳のうっ血の症状から AY-98 は viral deformity virus に近いものと考えられた。