抄録
ヒラメレンサ球菌症の感染発病過程を明らかにするために, 経口法および菌浴法で攻撃したヒラメ各組織での S.iniae の増殖の様子を経時的な生菌数測定および免疫組織化学により調べた。両攻撃法により鰭や体表に出血性患部が形成され, S.iniae の著しい増殖が認められた。感染初期では腎臓および脾臓の生菌数が最も高く, 尿細管周囲の細静脈, 脾臓の莢組織で食細胞に取込まれた S.iniae が増殖し, 時間経過とともに S.iniae を取込んだ食細胞が他の組織の血管内にも観察されるようになった。