抄録
PCRによるブリ黄疸原因菌の検出を試みた。本菌の培養液を100℃・10分間熱処理し, その上清を鋳型DNA溶液としてPCRを行ったところ, 期待される分子量サイズの増幅産物が得られた。また, その他の魚病細菌10種からは増幅産物が得られず, 今回用いたプライマーセットは本菌を特異的に検出するものと考えられた。実験感染ブリの魚体から本菌の検出を試みたところ, 筋肉からは検出できなかったが, 血液, 肝臓, 腎臓, 脾臓から検出することができた。診断に用いる材料には, これらの組織のうち血液が最適と考えられた。