2004 年 39 巻 3 号 p. 129-135
1995年以降山口県では, 夏場30℃前後の高水温時に養殖クルマエビの大量死が発生している。死亡したエビは軟甲を呈し, 壊死した鰓には瘡蓋様または顆粒様異物が付着していた。養殖池ではC.turgidusが優占し, pHが9.5以上と高くなっていた。C.turgidusの培養液のpHが9.73まで上昇し, NaOHにより作製した高pH飼育海水への曝路によりクルマエビは自然死亡エビと同様の症状を示して死亡したことから, 今回の大量死はC.turgidusの増殖に伴って上昇した高pH池水によるものと判断された。