魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
クロソイに見られた鰓病変を示すグラム陰性桿菌感染症
小林 立弥今井 慎川口 喜史
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 40 巻 3 号 p. 143-145

詳細
抄録
 2001年春に養殖クロソイ(体重138~145g)に大量死が発生した。病理組織学的にグラム陰性桿菌が鰓に侵襲し, 鰓薄板の上皮の剥離と毛細血管に細菌寒栓が見られた。これらの病変を示す鰓弁は上皮増生による棍棒化が起こり, 鰓薄板の動脈瘤の形成, 増生した上皮細胞の壊死および出血が見られた。病魚のなかには腎臓, 脾臓, 心臓にも鰓と類似のグラム陰性桿菌が侵入していた個体もあったが, 感染病巣は軽度であった。以上から, 本疾病は鰓の病変が主病変と判断された。しかし, 病魚の肝臓, 腎臓, 脾臓および脳から細菌は分離されなかった。
著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事
feedback
Top