魚病研究
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新ニトロフラン誘導体MKMの抗菌力と筋肉内感染に対する薬浴治療効力の不一致について
杉本 昇米 康夫
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1970 年 5 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

 1.新ニトロフラン誘導体,MKM,1-methyl-1,4-dihydro-7-[1-methyl-2-(5-nitro-2-furyl)-vinyl]-4-oxo-1,8-naphthyridine-3-carboxylic acid-Kの各種魚病原因菌に対する抗菌力は,対比した各種薬剤のそれよりきわめて強かった。2.V.anguillariumおよび病原菌SP-1を筋肉内に注射接種したマダイに対するMKMの治療効果はP-7138のそれより劣った。3.MKMはその化学構造と, Mg, Al, Ca,などの存在で螢光を発することから金属キレート作用物質であると推測した。4.0.5および5ppmのMKMあるいはP-7138の海水溶液にマダイを2時間薬浴した場合,いずれの組織にもMKMは検出できなかったが, P-7138は血液,肝,腎臓および筋肉に相当多量検出された。5.両体測4カ所のウロコをとり,病原菌SP-1添加海水中で10時間游泳させ経皮感染したマダイに対し,MKMおよびP-7138は同程度の薬浴治療効果を示した。

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