魚病研究
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アユに対する新ニトロフラン誘導体ニフルプラジン(HB-115)の研究
伏木 省三森岡 保白木 建二
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1971 年 6 巻 1 号 p. 15-23

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抄録
 種々条件を考慮して薬浴に関する諸問題について,新ニトロフラン誘導体ニブルプラジソ(HB‐115)を用いて検討し,下記のことが明らかとなった。1.薬浴毒性は水温に左右され,水温が1O℃上昇すれば,薬浴毒性は1.5~2倍となり,また薬浴時間と薬浴濃度の相互関係によっても影響される。2.薬浴効果は葉浴濃度と薬浴時間の相互関係によって決定される。3.病原菌の接種量を少なくすれば,斃死数の減少や斃死に至る期間が延長されるが,薬浴効果についても,接種菌量が少ないと,その効果も顕著に現われる。4.薬浴水温と薬浴効果の関係は,はっきりとしなかった。5.一連の感染防御試験より,HB‐115 1ppm 20~60で充分な効果が期待できるが,その場その場に応じた薬浴方法で実施すべきであろう。6.薬浴によるHB‐115の組織内濃度は,筋肉および内臓に検出されず,血漿や表皮中に検出され,また流水中にもどすとすみやかに排泄される。
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© 日本魚病学会
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