抄録
1) アマゴの〓瘡病について,体躯に膨隆患部を発現する例について病理組織学的に検討した。2) その結果,この型の病魚では,経皮感染によって感染が成立し,真皮,皮下脂肪組織筋肉組織に病巣が拡大して発病していることがわかった。3) 体の膨隆患部内の粥状物の主体は犯された筋肉組織の二次性軟化融解産物であった。また,化膿性炎の特徴としての好中球浸潤集中は認められなかった。以上のことから,Aeromonas salmonicid感染症を〓瘡病と呼ぶのは適切でない。4) 筋肉組織内に形成された病巣が敗血病巣となって,菌血症から第二次敗血症へと発展する病状経過が考えられた。