家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
総説
子宮峡部癌の臨床病理学的特徴と Lynch 症候群との関連
増田 健太阪埜 浩司 矢野倉 恵小林 佑介辻 浩介木須 伊織植木 有紗野村 弘行平沢 晃進 伸幸青木 大輔
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 13 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
子宮体癌は子宮体部や底部から発生することが一般的であるが, まれに体部下部から頸部上部, つまりlower uterinesegment(LUS)もしくは峡部と呼ばれる領域から発生する子宮体癌が存在する. 子宮峡部から発生する子宮体癌(以降, 子宮峡部癌)は子宮体癌全体の3 〜3.5%とまれであり, これまで小規模の報告しか存在しない. 近年, 子宮峡部癌が遺伝性腫瘍であるLynch 症候群との関連があると報告され注目されている. 一般的な子宮体癌でのLynch 症候群の頻度は1 〜2 %といわれているが, 米国の報告によると子宮峡部癌のうち29%がLynch 症候群とされ, 高頻度にMSH2 の変異が存在するとしている. 今後わが国をはじめ, より大規模な調査において子宮峡部癌の臨床病理学的特徴やLynch 症候群との関連についてさらに検討する必要がある.
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© 2013 The Japanese Society for Familial Tumors
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