抄録
家族性大腸腺腫症に対する徹底的な内視鏡的ポリープ摘除について,単一施設による試みのデータを紹介し,さらに現在進行中の多施設前向き研究である「家族性大腸腺腫症に対する大腸癌予防のための内視鏡介入試験(略称; FAP 徹底的ポリープ摘除試験,J-FAPP Study Ⅲ)」の試験内容を示した.本試験は,多施設による単一介入試験である.対象は大腸に腺腫が100 個以上認められる16 歳以上の患者である.介入方法は内視鏡的な大腸ポリープの徹底的摘除である.主エンドポイントは試験開始後5 年間の大腸切除術の有無である.副エンドポイントは大腸発癌,粘膜内癌,内視鏡的治療困難腫瘍,死亡,合併症(穿孔,出血)の発生の有無である.予定参加者数は200人である.