抄録
日本ではここ数年で遺伝性乳癌への関心が高まり,遺伝カウンセリングと遺伝学的検査を希望する人々が増加している.一方遺伝学的検査を受けて病的変異が指摘された乳癌ハイリスク群に,どのような癌のスクリーニング法が有効か様々な検討がなされてきたが,まだ確立されたものが存在していないのが現状である.
本症例は,一卵性双生児の姉の乳癌発症を契機に遺伝学的検査を施行して,BRCA2遺伝子に変異が指摘された一例である.当院では遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)に対してガイドラインで推奨されている,マンモグラフィと乳房MRIに加えて,半年ごとの乳房超音波検査をサーベイランスに組み入れて行っている.未発症BRCA変異保有者のサーベイランス中に発見された,乳癌症例について,文献的考察を加えて報告する.