家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
症例報告
発端者遺伝情報が得られないまま未発症者の遺伝学的検査を行ったLynch症候群の1例
寺本 瑞絵 鷹巣 祐子柏木 葉月寺田 倫子松浦 基樹山下 健太郎沖田 憲司石川 亜貴斎藤 豪櫻井 晃洋
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 18 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
Lynch 症候群はミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異に起因するがんの易罹患性症候群である.原因遺伝子としてMLH1,MSH2,MSH6,PMS2遺伝子の4 つが知られており,さらにMSH2遺伝子の上流にあるEPCAM遺伝子変異も原因となりうる.今回我々は,クライエントの家族歴からLynch 症候群を疑ったが,家系内に連絡が可能な生存するがん罹患者がおらず,発端者情報不明のまま未発症者の遺伝学的検査を行い,EPCAM遺伝子変異によるLynch 症候群と診断した1 家系を経験したので報告する.
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© 2018 The Japanese Society for Familial Tumors
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