抄録
発端者は,42歳男性.便潜血陽性の診断にて`注腸,内視鏡を行ったところ大腸ポリボーシスと診断され.大腸亜全摘術を行った.迫伝子診断にて,APC達伝子のexon4のcodon158の部位にAのinsertionを認め.この結果 この部位の配列はTAC→TAACとなり,stop codonを生じるnonsensemutationを認め.達伝子変異の部位か らattenuatedfamilial adenomatous polyposis (AFAP)と診断された.その両親の遺伝子診断を行うと,母親に同様の違伝子変異が認められ,父親には認められなかった.母親は迫伝子診断時68歳でこれまで大腸惑の既往はなく,発端者と異なり大腸内視鏡検査でもわずかのポリープを認めるのみであった.AFAPと診断された場合にはAPC遺伝子の同ー変異でも表現型が異なり、予防的全大腸切除が必要とならないケ一スがあることが示された.