家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
総説
結節性硬化症遺伝子(TSCJおよびTSC2)機能の新辰開
小林 敏之樋野 興夫
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ジャーナル オープンアクセス

2003 年 3 巻 1 号 p. 34-39

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抄録
腫瘍性病変を発生する結節性硬化症にはTSC1とTSC2という二つの原因遺伝子が知られている.これらはとも に腫瘍抑制遺伝子としての役割を果たしている.それらの産物(hamartinおよびtuberin)が持つ生理活性について はまだよくわかっていないが.両者は複合体を形成し機能を発揮すると考えられている.ここ一年の間に両者がmTORを介してS6キナーゼの活性を負に制御していることか明らかにされてきた.S6キナーゼが関わるシグナル 伝達系がどのように腫瘍発生に関わるのかを含め,今後hamartinとtuberinの持つ機能および結節性硬化症の病態 発生の分子機序が明らかにされていくであろう.
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© 2003 The Japanese Society for Familial Tumors
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