家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集 : 網膜芽細胞腫の遺伝カウンセリング
がん患者における社会的支援−ソーシャルワーカーの視点−
大松 重宏
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 4 巻 2 号 p. 76-80

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抄録
「家族性腫瘍」は,クライアントにより複雑な課題を背負わせ,従来持っている社会的支援だけではその課題を乗り越えていくことができない状況を生む.そのために,社会保障,社会福祉サービス等の公的制度,そして,人やもの,技術など,課題解決やニーズ充足に役立つクライエントの周囲のあらゆるものが新たな社会的支援として必要となる.しかし,「家族性腫瘍」の領域には,まだ充分な患者・家族サポートシステムが確立していない.よって,現在ある「がん領域」にあるサポートシステムから,今後,「家族性腫瘍」を持ったクライアントの生活課題を明確にし,それにリンクする社会的支援を見つけ(また作り出し)積極的に導入することが,この領域を専門とする医療者の使命である.よって,本稿では,ソーシャルワーカーの視点からその示唆を与えることができればと考える.
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© 2004 The Japanese Society for Familial Tumors
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