家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集2:遺伝性大腸癌
遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Lynch 症候群)の遺伝学
菅野 康吉
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 9 巻 2 号 p. 69-74

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抄録
遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)は家系内に大腸癌,子宮体癌等の悪性腫瘍が好発する常染色体優性遺伝疾患である.全大腸癌の2 〜5%程度を占めるものと推定され,最も頻度の高い遺伝性腫瘍の一つと考えられている.HNPCC の原因はDNA 複製の際に生じた塩基配列の間違い(ミスマッチ)を修復する機能の異常であり,MSH2, MLH1 等のミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異と腫瘍組織におけるマイクロサテライト不安定性の出現が高率に認められる.HNPCC 関連腫瘍には大腸癌以外のさまざまながんが含まれることから,ミスマッチ修復遺伝子変異あるいはMSI 陽性のHNPCC は,1960 年代にHNPCC の存在を初めて報告したHenry T Lynch の名前を取ってLynch 症候群と呼ぶことが提唱されている.
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© 2009 The Japanese Society for Familial Tumors
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