2012 年 47 巻 3 号 p. 117-122
施設イチゴ養液栽培の休耕期間である夏期の高設ベンチの補完的な利用法を開発するため,心止まり性トマト品種‘盛岡7号’の適応性を評価した.その結果,5月末に定植を行った場合,8月下旬までに約6 t/10aの収量が得られた.本品種は強い矮性形質を有しており,整枝,誘引は不要であり,収穫回数も週1回であった.その結果,作業時間は短く,作業時間あたりの可販果収量も養液栽培・抑制,半促成作型‘ハウス桃太郎’より顕著に少なくなると考えられた.
また,培養液濃度は,生育・収量からみて定植から収穫初期までは山崎処方1単位(EC約1.2 dS/m),それ以降は2単位(同2.4)で管理するのがよいと考えられた.