抄録
間引き作業の簡略化を目的に,正確な播種間隔で播種することができる二段ベルト精密播種機を開発した.開発機の特徴は,重なった2本のベルトが同期して動き,上ベルトの小さな穴で種子を1つずつ取出し,上下のベルトが接している間に下ベルトの大きな穴に種子を渡し,低い位置で種子を放出することである.これにより種子の落下位置が安定し落下距離が短くなる.定置試験においてコート種子のニンジンの播種では,作業速度 0.56 m/s でも播種間隔の四分位範囲は 8.4 mm と対照の播種機(真空播種機とベルトアップダウン式播種機)の2分の1以下であり,最大頻度割合(播種間隔の誤差の許容範囲を 20 mm として,この範囲でもっとも度数が高くなる時の割合)は94%,欠粒率および2粒播き率も0%と,正確な播種が可能であった.また,形が不均一な裸種子のホウレンソウやダイコンの播種では,欠粒率が真空播種機よりも同等かやや高くなった.しかし,作業速度 0.56 m/s でも四分位範囲は 8.6 mm・12.6 mm, 最大頻度割合は87%・76%と,真空播種機の 29.4 mm・22.1 mm および 40%・50%よりも正確な間隔で播種が可能であった.また,圃場試験の二段ベルト精密播種機の四分位範囲および最大頻度割合は,定置試験の場合よりも低下したが,対照の播種機よりも播種精度は高かった.