農作業研究
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乗用管理機搭載型ブームスプレーヤにおける散布高さによる散布むらの検証
水上 智道吉田 隆延宮原 佳彦
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2016 年 51 巻 4 号 p. 143-153

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抄録

食料の安定的供給を図るうえで,農作物の病害虫防除が必要である.そのため,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤを用いた防除方法が普及しつつある.防除効果を十分に発揮するためには,農薬を均一にむらなく散布することが重要である.そこで,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤのブーム高さが落下量および付着むらに及ぼす影響について調査した.高さ60 mmの木製の障害物を設置した障害物設置路面を走行速度0.5 m/sおよび1.0 m/sで,障害物を乗り越しながら水を散布すると,落下量および付着にむらが生じ,四分位範囲(IQR)は液滴落下量分布試験で351%,付着むら試験で7%から27%に増加した.さらに付着性を評価するために行った室内試験結果において,ガンマ分布を仮定した一般化線形モデルを適用し,散布高さと付着の関係性について解析した.これらの結果から,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤの付着むらの原因の1つが散布高さであることが示唆された.よって,乗用管理機搭載型ブームスプレーヤの挙動に応じたブーム垂直変位低減装置があれば,現行の防除作業よりも,さらに散布むらおよびドリフトの少ない防除作業の実現に寄与できると考えられる.

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© 2016 日本農作業学会
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