沖縄県南北大東島では,サトウキビ収穫機や運搬用トラックが老朽化し代替時期を迎えている.これを契機に大型化した機械化体系を見直すなど,現地では作業機のダウンサイジングも念頭に種々の試みが行われている.筆者らは,南北大東島における効率的かつ持続的な収穫・運搬作業体系モデルを開発・策定することを目的にまず基本的な作業情報を整理し,現行の収穫・運搬作業を組み合わせた主要な作業体系について類型化を行った.その結果,南北大東島では大型収穫機を中心にした1類型,中型収穫機の6類型,小型収穫機の1類型の計8類型に分類された.また,運搬トラックが収穫機の伴走車を兼ねるなど収穫作業と運搬作業が相互に影響し合う類型について,製糖工場での原料受入れデータから実作業量を推定した結果,大型収穫機を中心にした類型で19.1~28.0 a/h,中型収穫機の類型で13.3~15.2 a/hであった.なお,収穫ほ場でのタイムスタディによる作業量の実測値にGPSデータを基にした運搬トラックの稼働状況の解析結果から得られた実作業率を加味しながら実作業量の推定値を検証し,本推定方法が実用上妥当であることを確認した.