農作業研究
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研究論文
マサ土の塩類集積時における電気伝導度測定法とトマト生育との関係
富井 春幸上野 秀人当真 要
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2020 年 55 巻 1 号 p. 3-11

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抄録

5)の電気伝導度(EC)を測定することが一般的であるが,土壌飽和抽出液を用いて測定するECeも一部用いられている.本研究においてECe改良測定法を開発し,腐植含量とCECが低いマサ土(花崗岩母材)にNaClを添加して,ECとECeの比較や関係性を調べたところ,ECeはわずかな塩分でも増加し,その値はEC(1:5)値の19倍を示した.さらに,4段階濃度のNaClを添加したマサ土でトマトを栽培すると,塩濃度とともにトマト地上部のNa濃度が増加し,K/Na比とCa/Na比が低下した.EC(1:5)が0.6 dS/m(ECe=10.8 dS/m)で明らかな塩害症状が確認され,0.8 dS/m(ECe=20.0 dS/m)では完全に枯死したことから,マサ土ではトマトの塩害が生じやすいことが明らかになった.トマト地上部上部のNa濃度は地上部下部や根より高く,この条件では最初に塩害の影響を受けやすいと考えられた.以上のことから,マサ土では土壌飽和抽出液を用いて測定するECeの方が,鋭敏に塩濃度を検出でき,作物の塩ストレス予測に有効であることが明らかになった.

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© 2020 日本農作業学会
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