2025 年 60 巻 3 号 p. 117-124
立毛乾燥に適した飼料用米品種の選定を目的として,早晩性や脱粒性などの品種特性が異なる飼料用米品種4種を用いて,立毛乾燥が含水率の低下とその均一性,脱粒,倒伏に及ぼす影響について調査した.その結果,立毛乾燥は全品種の籾含水率を低下させたが,籾含水率の低下速度は品種により異なった.早生品種は積算温度あたりの籾含水率低下速度が速く,立毛乾燥への適性がみられた.一方で,晩生品種は,立毛乾燥期間中の日平均気温が低いため,積算温度あたりの籾含水率低下速度が遅くなり,含水率の低下に長期間を必要とする.長期の立毛乾燥は,鳥の食害による収量低下が懸念され,晩生品種の立毛乾燥への適性は早生品種と比較して低いと推察される.また,立毛乾燥後の籾含水率にはばらつきがあり,籾の平均含水率が基準となる15%以下に低下しても16〜17%程度の穂が存在した.さらに,一般的に耐倒伏性が高いとされる飼料用米品種では,立毛乾燥中の倒伏もわずかであった.しかし,水分低下後も立毛乾燥を続けると, 稈の老化により倒伏が増加する可能性が考えられた.