農作業研究
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モロヘイヤの一斉収穫栽培法
佐藤 達雄成松 次郎
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2000 年 35 巻 2 号 p. 69-76

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抄録

モロヘイヤ(Corchorus olitorius L.;和名シマツナソ)の一斉収穫による省力化を検討した.慣行では多数発生する枝の中から20cm以上の枝を,主枝,側枝を仕立てるように1本ずつ収穫しており,手間を要することからモロヘイヤ栽培の普及上の障害になっている.今回検討した一斉収穫栽培法では,密植で収穫位置を地表面上に固定して,鋏の移動を最小限にするとともに,収穫枝の長さや節数の確認を省いた.その結果,移植栽培では119株/m2のとき,収量は3,366g/m2対慣行栽培比88%)であったが,収穫時間は22.6分/m2(同38%)に低下し,単位時間あたり収量は149g/分(同240%)になった.直はん栽培では135株/m2のとき,収量は2,742g/m2(同72%),収穫時間は8.1分/m2(同13%),単位時間あたり収量は337g/分(同542%)になった.さらに,収穫枝の茎は柔らかく品質は良好であった.以上のことから,一斉収穫栽培法により収穫労力の顕著な削減と高品質化が達成された.低温期から育苗を開始する移植栽培は慣行栽培の置き換えとして適し,また育苗,移植が不要な直はん栽培は作期が限られるものの,他の葉菜類の栽培が困難な高温期の施設の一時的利用に有効と考えられた.

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