老年歯科医学
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臨床報告
歯科関連の異物誤飲·誤嚥症例の検討
間島 徹阪本 知二
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2009 年 24 巻 4 号 p. 360-365

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抄録

歯科関連の異物誤飲·誤嚥は, 歯科治療時だけでなく, さまざまな状況下でも生じる可能性がある。多くの場合, 支障なく消化管を通過して排出されるが, 食道びらん, 虫垂炎, 気道閉塞や肺炎といった重篤な合併症を生じることもある。今回われわれは, 2005年12月から2008年12月の期間に当院内視鏡科で治療した歯科関連の異物誤飲·誤嚥症例7例を調査した。
患者の内訳は男性5例, 女性2例であり, 平均年齢70.7±20.5歳であった。異物が胃に停留したものは3例, 気管支に停留したものは2例, 食道, 咽頭に停留したものはそれぞれ1例ずつであった。すべての異物が内視鏡あるいは気管支鏡により摘出可能であった。摘出物は歯科補綴物や根管治療器具, 脱落歯であった。
誤飲·誤嚥を防止するために適切な予防策をとることに加えて, 合併症の誘発を避けるために, 各施設でこれらの事故に対するガイドラインが作成されることが推奨される。

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© 2009 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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