老年歯科医学
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調査報告
歯科部門のない地域の中核急性期総合病院の入院患者に対する当院の歯科訪問診療の概要
斎藤 徹野村 幸恵牧野 秀樹石田 瞭髙橋 耕一
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2021 年 36 巻 3 号 p. 256-262

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抄録

 歯科部門のない地域の中核急性期総合病院(24診療科,651床)への当院の歯科訪問診療の概要を報告する。

 2011~2019年の間の当該急性期総合病院への歯科訪問診療の初診患者数(再初診患者を除く)は722例(男性452例,女性270例)であった。平均年齢(標準偏差)は69.3歳(16.9歳)であり,65歳以上(准高齢者以上)の症例が508例(70.4%)を占めていた。初診患者数は2011~2016年の間は計265例であったが,2017~2019年の間は計457例と急増し,65歳以上の症例の比率も64.5%から73.7%に有意(p<0.01)に増加した。

 歯科訪問診療症例の医科原疾患の内訳は,悪性腫瘍が最も多く251例(34.8%)を占めており,次いで脳梗塞64例(8.9%),肺炎30例(4.2%),骨折25例(3.5%),パーキンソン病24例(3.3%)であった。歯科治療の内訳としては,歯周治療が最も多く455例(63.0%)で,次いで抜歯193例(26.7%),義歯調整・修理159例(22.0%),義歯新製98例(13.6%),レジン・グラスアイオノマー充塡89例(12.3%)であった(歯科治療の内容の重複症例あり)。

 以上の結果より,当該急性期総合病院に対する当院の訪問診療では約7割の症例が65歳以上であったことが認められた。また,医科原疾患と施行した歯科治療は悪性腫瘍と歯周治療が最も多かった。

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