2023 年 38 巻 3 号 p. 84-90
ビスホスホネート製剤と抗RANKL抗体製剤であるデノスマブ使用患者の一部に引き起こされる薬剤関連顎骨壊死(Medication-related osteonecrosis of the jaw:MRONJ)は,初めての報告から20年が経過した現在でも,病態形成機構が不明であることに起因して,確定的な予防法や治療法が存在しない。また,いったん発症すると,場合によってはQoLや口腔関連QoLを低下させて社会生活に影響を与える難治性の硬軟組織疾患である。
著者らの研究グループでは,病態形成機構解明と治療法・予防法開発のために,MRONJに関する基礎研究や臨床研究を展開している。本論文では,多職種の皆さんに知っておいていただきたいMRONJの臨床的特徴を解説するとともに,私たちの基礎研究や臨床研究から明らかになっている(きた)MRONJの病態やその形成機構に加え,治療法開発にかかわる科学的情報をお伝えする。