老年歯科医学
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過去9年間における高齢者の口腔顎顔面悪性腫瘍の臨床統計的観察
戴 永雨竹之下 康治
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2001 年 15 巻 3 号 p. 277-287

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抄録
九州大学歯学部第二口腔外科にて1987年から1995年の間に治療された60歳以上の口腔顎顔面領域の悪性腫瘍患者について遡及的に検討した.
総数148例中143例は癌腫症例で, そのうち89.2%は扁平上皮癌であり部位としては歯肉が最も多かった.口腔内の癌腫のうち50%以上が臨床的進展例でステージIII, IVの症例であった.
多重癌が10例に認あられた.68症例は化学療法 (C) と放射線療法 (R) それに手術 (S) の3者併用療法により治療されていた.また, 676%の患者が総義歯, 局部床義歯, 架橋義歯あるいは金属冠を装用していた.
5年生存率は (S+R+C) 併用療法で75%, S療法で70.7%R療法で38.5%, そしてR+C療法で273%であり, 全体では64.6%であった.
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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