老年歯科医学
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洗口剤のCandida albicansに対する殺菌効果
白井 やよい鈴木 奈央鎌田 政善清浦 有祐
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キーワード: 洗口剤, 殺菌効果
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2005 年 19 巻 4 号 p. 284-288

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抄録

高齢者では, 口腔カンジダ症を発症する危険性が高い。それを予防するための口腔ケアとして, 洗口剤の使用が考えられる。今回はin vitroin vivoの実験系でC. albicansに関する洗口剤の作用について検討した。
リステリン, モンダミン, マウスウオッシュの3種の洗口剤を使用してCandida albicans (C.albicans) に対する殺菌効果を調べた。顕著な殺菌効果は, リステリンでは最終濃度60%から, モンダミンでは最終濃度80%から発現した。しかし, マウスオウッシュは最終濃度80%でも顕著な殺菌効果は認められなかった。次にリステリンを9名の高齢者に含嗽させて, Candida属に対するin vivoにおける殺菌効果を調べた。9名中5名で菌数が含嗽によって顕著に減少した。減少しなかった者から分離したC. albicansin vitroでリステリンによって完全に殺菌された。したがって, 3名の場合は含嗽が不充分なためにリステリンの効果が認められなかったと考えられた。
今回の結果から, 洗口剤の使用が高齢者のC. albicansに対する口腔ケアに有効である可能性が示唆された。

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