老年歯科医学
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療養病床における歯科併設状況と口腔ケア・摂食嚥下リハビリテーションの実態 (第1報)
阪口 英夫高野 喜久雄藤本 篤士金久 弥生糸田 昌隆
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2005 年 19 巻 4 号 p. 313-318

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抄録

近年の高齢者医療の中心は療養病床に移行しつつある。その療養病床に併設されている歯科診療科や口腔ケア・摂食嚥下リハビリテーションの実態はあまり知られていない。今回, 日本療養病床協会に加盟する558病院へ, その実態をアンケート調査する機会を得たの報告する。調査は2004年3月から4月にかけて会員病院管理者を対象に郵送によるアンケート形式で実施した。会員558病院のうち218病院 (40.1%) から回答が寄せられ, そのうち歯科を併設しているのは, 40病院 (18.3%) であった。病床数が増すに従って歯科併設率が上がっていた。歯科併設病院では非常勤の歯科医師が勤務する病院が多く, 歯科衛生士が勤務していない病院も22病院 (55.0%) あった。また, 歯科を併設していない病院でも, 歯科医師の非常勤が4病院 (2.2%), 歯科衛生士の常勤または非常勤が勤務している病院が9病院 (5%) あった。歯科併設がなくても, 非常勤の歯科医師や歯科衛生士を雇用する病院がある一方, 入院患者に歯科疾患が発生しても, 歯科受診を行わないと回答している病院もあり, 療養病床における歯科や口腔に対する実態には療養病床問で格差があるということが明らかになった。

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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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