抄録
医療安全はあらゆる医療機関・医療従事者にとって真摯に取り組まなくてはならない最重要課題の一つである.厚生労働省は, 医療の安全確保に関する問題点を明確化し医療安全対策を立案する目的で, 平成13年に医療安全対策検討会議を設置した.そしてその翌年には「医療安全推進総合対策~医療事故を未然に防止するために~」が策定され, 中長期的な医療安全対策の方向性が示された.その後, 医療安全の確保に関するいくつかの施策が考案され, われわれにはその実施に向けての努力が求められている.ここ数年間の, 医療安全に関するこのような大きな動きの背景には, 表1に示したような医療現場の変化や患者意識の変化, それと平行した訴訟件数の著しい増加があり1) , 特に大学病院でのリスクマネジメントに関しては, 医科はもちろん歯科についても過去の現場の状況と比べ大きく様変わりした感がある.