日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
X線スペクトラム変調技術が大腸CT検査の病変検出能に及ぼす影響―タギングにバリウムを用いた検討―
山岸 史明小野寺 志真子菊地 博敦小田 丈二入口 陽介
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2024 年 62 巻 6 号 p. 834-845

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抄録

【目的】タギングにバリウム(Ba)を使用した大腸CT検査にX線スペクトラム変調技術(TF法)が応用可能かを評価した。

【方法】従来の撮影法(BF法)とTF法を比較した。物理評価として高コントラスト分解能とノイズを評価した。大腸CTファントムの模擬腸管内に空気のみと3つの異なる濃度(200HU, 560HU, 800HU)に調整したBa懸濁液を充填し, 各撮影法で管電圧120kV, CTDIvol 3mGy一定として撮影した。得られた画像からBa懸濁液部分のCT値(CT値Ba), 病変検出能の評価として模擬ポリープ部分(7mm, 5mm)の半値幅および, 直径と高さを計測した。

【結果】高コントラスト分解能に有意差はなかった。ノイズはTF法で低下した。CT値BaはTF法で平均33%低下した。模擬ポリープはすべての条件で認識可能であった。半値幅はCT値Baが高い場合にTF法で大きくなった。模擬ポリープの計測は, CT値が高い場合に7mmの模擬ポリープで統計的な有意差を認め, その他条件では統計的な有意差を認めなかった。

【結語】今回の検討条件では, TF法の病変検出能はBF法と比較して同等であり, TF法はタギングにBaを用いた大腸CT検査に応用できる可能性が示唆された。

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© 2024 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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