【目的】自己免疫性胃炎(AIG)の胃X線像として, 高度萎縮や逆萎縮が知られているが, 我々はAIGの新規所見として「散在性粒状ポリープ」と「均一小多角形粘膜模様」を見出した。その意義を明らかにすることが目的である。
【対象と方法】AIG 31例(40±76歳, 女性26例), 年齢と性を一致させたHelicobacter pylori(H. pylori)感染胃炎(HPG)31例, H. pylori未感染の正常胃 31例を対象に, 新規所見を含む9所見の頻度, ならびに診断能を比較検討した。
【結果】AIGにおける頻度は, 散在性粒状ポリープ 58.1%, 均一小多角形粘膜模様 54.8%であり, HPGと正常胃に比較して高率であった(p<0.001)。AIGにおける感度, 特異度, 正診率は, 散在性粒状ポリープで各 58.1%, 100%, 79.0%であり, 均一小多角形粘膜模様で各 54.8%, 96.8%, 75.8%であった。高度萎縮, 逆萎縮, 固着粘液, 残存胃底腺(隆起型)もAIGで高率であった(各p<0.001)。
【結語】散在性粒状ポリープと均一小多角形粘膜模様はAIGに特異性が高く, 診断に有用である。
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