2026 年 64 巻 4 号 p. 735-742
青森県の大腸がん死亡率改善のために,青森県大腸がん検診モデル事業を3年間行った。過去5年間に免疫便潜血検査 (FIT) による大腸がん検診を受診していないと思われる青森市と弘前市の50代51,541人を対象とした。本事業では①FIT陽性であれば保険医療機関で精査②FIT陰性でも大腸内視鏡 (CS) を受けられる③FITを受けずに最初からCSを受けられる,ようにした。確認したところ,FITを受けた8,472人の中に2,767人,CSを受けた2,592人の中に1,476人,過去5年間にFIT受診歴のある方が含まれていた。過去5年間の検診受診歴の有無によるFIT要精検率を比較すると,検査歴あり群4.5%に対し,検査歴なし群では6.7%と有意に高かった。がん発見率を比較すると,検査歴あり群0.18%,検査歴なし群では0.52%と有意に高かった。過去5年間のFIT受診歴の有無によるスクリーニングCSでのがん発見数 (発見率) は,検査歴あり群で9人 (0.6%),検査歴なし群で15人 (1.4%) と検査歴なし群で高い傾向にあった。大腸がん検診において,過去5年間に検診を受診していない人を検診に誘導することが重要である。