日本消化器がん検診学会雑誌
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胃がん検診車における放射線量の実態調査と装置管理の重要性
星 千春大友 義孝千田 浩一
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論文ID: 21003

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抄録

【背景(目的)】日本消化器がん検診学会の全国集計によると,2016年度には5,435,052名がX線による胃がん検診を受診している。検診受診者の被ばく線量は診断に影響しない範囲で少ないことが望ましい。2020年度に公表された日本の診断参考レベルの改定版では,消化管検査におけるdiagnostic reference level値が設定されており,上部消化管を含む透視検査の線量管理の重要性は大きい。本検討の目的は,単一の施設が保有する多数の車載X線透視撮影装置における線量の実態を把握することである。

【対象と方法】車載X線透視撮影装置21基を対象に,各装置における透視線量と撮影線量を測定した。これらの装置は撮影画像の取得方式が異なるため,各方式での線量を比較した。

【結果】装置から出力される線量にばらつきが認められた。画像取得方式ごとの比較では透視線量の差は確認できなかったが,撮影線量に関してはI.I.-DR装置の線量が多かった。

【結語】定期的な点検が行われていても,装置が出力する線量にばらつきが認められた。精度管理としての線量測定が重要であると考えられる。検診受診者の被ばく低減には,装置の特性を理解した上での使用と,X線装置の定期的な線量測定による線量の最適化が必要である。

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© 2022 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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