日本消化器がん検診学会雑誌
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宮城県登米市における大腸がん検診精密検査受診率向上策としての精密検査説明会の有用性について
三上 哲彦小池 智幸只野 敏浩加藤 勝章
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論文ID: 24004

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抄録

宮城県登米市は, 仙台市から約70キロメートル北に位置し, 高齢化率が高い市である。登米市では, 大腸がん検診の便潜血検査(FOBT)を市内唯一の中核病院である登米市立登米市民病院(当院)に委託契約している。当院では登米市が作成した受診者台帳をもとに, 受診希望者に採便キットを配布し, 回収された検体を当院で測定して結果判定を行っている。FOBT陽性者には, 結果通知と同時に日時と場所を指定した精密検査(精検)説明会の開催案内書を送付し, 精検説明会の場で全大腸内視鏡検査の予約を取得している。欠席者には医療機関受診に必要な紹介状・精密検査実施報告書を郵送し, 個別に受診勧奨している。2021年度のFOBT陽性者は784名で陽性率は5.3%, 精検受診者は666名で精検受診率は84.9%であった。精検説明会の出席者は551名で出席率は70.3%であり, 出席者の精検受診率は96.7%であった。一方, 欠席者233名の精検受診率は57.1%にとどまり, 出席者の精検受診率が有意に高かった(p<0.01)。以上より, 精検説明会の開催は精検受診率向上に寄与する可能性があると考えられた。

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