日本消化器集団検診学会雑誌
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精検に全大腸内視鏡検査を用いた10年間の地域大腸癌集検の評価
上田 モオセ趙 栄済中島 正継安田 健治朗望月 直美田中 聖人宇野 耕治塚田 圭子河端 秀明
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2000 年 38 巻 5 号 p. 613-617

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抄録

我々は1986年度から1995年度までの10年間, 精検に全大腸内視鏡検査を用いて地域大腸癌集検を施行した。総対象者は33059人で, 受診率は40.4%であった。便潜血反応による要精検率は5.8%であり, 精検受診者数は518人で平均精検受診率は81.8%であった。経口腸管洗浄法を用いた年度には, 前処置良好例は90.0%であった。回盲部到達率は98.6%で, 一人あたりの平均検査時間は17.4分であり, 偶発症は認めなかった。進行癌は12人14病変に, 早期癌は17人21病変が発見されたが, このうち約半数がSD移行部よりも口側に存在していた。全大腸内視鏡検査は精検法として当地域では十分に対応可能であり, 安全面でも問題はなかった。

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