ペプシノゲン法 (以下PG) とヘリコバクターピロリ抗体価 (以下HP) 測定を一次スクリーニングとする “胃がん郵便検診” の結果, 1995年9月~1999年3月までで, 延べ48,560例の受診があり, これまでに31例の胃がんを発見し, うち80%が早期がんであった。
PGとHPの組み合わせ別結果をみると, がん陽性反応適中度で最も高いのは, PG強陽性 (2+) HP陰性 (-) で, 次いでPG陽性 (+) HP陽性 (+), PG陽性 (+) HP陰性 (-) が同率であった。PG・HPの胃がん, 萎縮性胃炎, 胃潰瘍, 十二指腸に対するオッズ比を算出するためのケース・コントロールの結果, P<0.001を統計学的に有意とした場合に関連が認められたのは, PGの萎縮性胃炎におけるオッズ比が2.25 (95%信頼区間1.82~277) と, PGの十二指腸潰瘍におけるオッズ比0.23 (95%信頼区間0.13~0.41) であった。0.18%というがん発見率が得られたものの精検受診率が50~60%にとどまっているため精検勧奨のさらなる工夫と, X線検査と併用する必要性を訴えていくことが重要と考えられた。
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