抄録
人間ドックを受診した際に, 腹部超音波検査で脾臓の近傍に無エコー域を発見され, その後の精査で脾動脈瘤と診断された1例を経験したので報告する。症例は55歳, 男性。平成10年7月に当院の人間ドックを受診した際に, 腹部超音波検査で脾門部近傍に直径18mm の無エコー域を認め, その後のカラードプラ検査およびCTアンギオグラフィーで脾動脈分枝に生じた動脈瘤と診断された。放置した場合には破裂の危険性も考えられるため, 脾切除術を施行。病理組織学的にはsegmental arterial mediolysisの所見であった。
腹部内臓動脈の小動脈瘤の頻度は少ないが, 本例は人間ドックを契機に無症候性のうちに診断され, 予防的な治療が可能であった。人間ドックのみならず, 腹部超音波検査に際しては腹腔内小動脈瘤の存在も念頭において検査に当たる必要があると思われた。