日本消化器集団検診学会雑誌
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当センターにおける大腸癌検診の現況と発見大腸癌の臨床病理学的検討
福田 直子相良 安信三好 宏和鎌村 真子岸 清一郎伊東 進
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キーワード: 大腸癌検診, 年齢
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2001 年 39 巻 4 号 p. 318-322

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抄録

平成5年度から10年度までの6年間に当センターで実施した大腸癌検診の現況と発見大腸癌について臨床病理学的検討を行った。年間受診者は平均26,208人, 発見癌は平均40.4人であり, 癌発見率は地域で0.26%, 職域で0.05%, 両者の平均は0.14%であった。年齢性別癌発見率では加齢とともに癌発見率が上昇し, 特に男性でその傾向が強くみられ, 60歳男性では0.58%と高かった。検診結果を前期と後期に分けて比較すると, 3cm以上の大きな癌の有意な減少とlp型癌の減少傾向, Is型癌の増加傾向がみられた。表面型癌はあまり変化がなかった。年齢別発見癌の比較では比較的若年層で直腸癌が有意に減少し, S状結腸癌が有意に増加していた。受診歴を有する受診者は初回受診者に比較して有意にステージIまでの癌が多く, 大腸癌検診の有効性が示唆された。

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