日本消化器集団検診学会雑誌
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病院を背景とした集団検診
須古 博信
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2002 年 40 巻 6 号 p. 505-513

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抄録

昭和39年, 熊本県下最初の胃集団検診の実施から現在の総合健診に至る, 当院消化器集団検診の38 年間のあゆみとその成績を報告した。
全期間の平均がん発見率は, 胃0.15%, 大腸0.13%, 腹部超音波検診0.07%であり, 胃・大腸では, 早期癌比率が高かった。近年, 消化器集団検診受診者の減少が著名となる一方, 人間ドック受診者数は伸びており, この現象は, 老人健康保険法の非適用とは無関係であり, 検診方法や検診施設が受診者に選別されていることが推測された。
当院集団検診及び病院の消化管がん治療の分析より, 今後は, 精度管理はもとより, 検診成績, 治療結果の公開や「検診の質」の科学的管理が求められ, 疾病管理の観点から, 今後の集団検診を展開すべきと考察した。集団検診も受診者への「情報開示」を進め, 受診者に安心と納得のできる検診を考えていくべきであろう。

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